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陽だまりの中で [のだめカンタービレ二次小説(短編)]

けだるいような溶けて行きそうな感覚で

俺は目を開けられずにいた。

同時に開けてしまうと大事なものを失いそうで

怖かった。



どれくらいたっただろう。

誰かが俺の額にはりついた前髪を優しく取り去ってくれている。



これは夢か?

それともあの世か?

そう思ってるといつか聞いた声がした。




「風邪ひきますヨ」


この甘えたような声は・・・・。


この大きくてやわらかい手は・・・・。



「真一くん」


目を開けても大丈夫だろうか?

不安が押し寄せてくる。



「・・・・起きて下サイ」


冷たくて柔らかい感触。



堪えられない気持ちになり思い切って目を開けた。


躊躇なく目に飛び込んでくる光。

「うっ・・・」



「いつの間にか転寝ちゃったんデスね」


少し笑いながら見慣れた顔が見えた。


「のだめ・・・」


安堵感で満たされていくのがわかる。



いつか失うかもしれないかもしれない

言い知れない不安が俺の心のどこかにあったのだろう。




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サラ

もう少し、長い方が良いと思います。が、千秋の気持ちがわかる文章でした。これからも頑張ってくださいね。
by サラ (2015-08-30 15:47) 

shingo

サラさま、感想を下さってありがとうございます!

千秋は才能に恵まれて俺様な部分はありますが

「悪いクセ」でも書いたように人には見せない弱さも

持っている気がします。

また書き始めるかもしれませんので

よろしくお願いします。
by shingo (2015-08-31 18:31) 

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