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遠い約束(23) [のだめカンタービレ二次小説]

「千秋くん、恵は君が来るのを待っていたんだ」

「えっ!?」

千秋は辰男の言葉に驚いた。

「恵は何も言わんかったが真理恵をあやすのに

よくあの河川敷を歩いてた」

あの河川敷と言う言葉で千秋は初めて此処に来た事を

思い出していた。

自分の気持ちがわからないまま、のだめを連れ戻すために

大川に来たあの時の事を。

じゃあ、今は何のために此処に来た?

一度は東京に帰ったのに・・・・。

真理恵の事を確かめたかった。

確かにそれもある。

だが、本当の目的は違う!

自分の気持ちを伝えるために来たんだ。


「のだめ、ちやんと俺の気持ちを聞いて欲しい。

俺はおまえに伝えたい事があったから来たんだ」

「真一くん・・・」

のだめは涙ぐんだ瞳で千秋の方を見た。

「俺やっと分かったんだ。おまえが必要なんだって事が。

ただ弱い自分を認めたくなくて三年も過ぎてしまって

本当にすまないと思ってる」

「嘘・・・デス」

のだめは大きく首を振った。

「嘘じゃない」

「真理恵の存在で責任のためだけにそんな事を

言ってるんでしょう?」

「違う!俺はもう一度おまえとやり直したくて帰国したんだ。

ただ、おまえが子供を抱いていて気が動転して何も言えずに

戻ってしまったんだ」

のだめは何度も首を振った。

「幸せに暮らしてるおまえに今更俺がどんなに後悔してるか

話しても迷惑だと思ったし・・・・」

「だって、だって・・・・」

「俺は自分が親父と同じ事をしてしまうかもしれないと

不安だったんだ。だから子供を望んでいたおまえには

酷い事を言って辛い思いもさせた。だけどこの子が

俺の子供で本当によかったと思うし嬉しい」

千秋は照れくさそうに言った。



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コメント 2

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クライマックスですね!
最近、更新がたくさんで嬉しいです(^o^) 最後まで楽しみにしてます!
by お名前(必須) (2016-09-18 23:25) 

shingo

2012年から書き始めていますので
四年かけてやっと書き終えられそうで
本当に嬉しいです
すこしグダグダしすぎですが
人の心はすぐには動かないという事を
書きたかったので予定より長くなってしまいました。
次回で終わりになります。
読んで下さってありがとうございました。
by shingo (2016-09-19 11:32) 

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