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拍手小話(45) [お題]

『緩くまわされた腕』

愛おしげに俺はのだめの腰の辺りに

腕をまとわりつかせる。

初めから組み合わされたパズルのように

添う腕と体

不思議だ・・・・。

違和感が全く無い。

まるで最初からひとつだったかように。

流れるように吐息も心も一緒になる。

自然と出る愛の言葉。

きっと酒に酔うのと同じように愛に酔っているんだろう。

そうでないならこんな言葉が俺の口から出るはず無い。

『少しでも思い出してくれた?』

雨が窓のガラスを強く打ち当たる。

真一くんが引っ越してから一週間。

まだ慣れない・・・。

もう少し時間が経てば隣に居ない事に

慣れるのかな?

のだめはピアノを弾いてるいがいずっと

真一くんの事考えてマス。

少しくらいのだめの事思い出してくれてマスか?

そうだと嬉しいデス・・・。

『今だけでいいから』

真一くんはいつも遥かかなたを見てる。

やっぱりのだめは音楽の次デスか?

のだめがどんなに頑張ってもダメデスか?

せめて二人で過ごす時間だけは

のだめが独占したい

そう思うのはワガママデスか?

『触れてもいい?』

偶然を装って触れようとしても

いつも失敗するから

今度は正攻法で

「触れてもいいデスか?』って

聞きマス。

「別にいいよ」

ってちょっと横を向きながら言ってくれたら

嬉しいデス。

『教えてあげない』

前の電話の相手を気にしてるみたいデスけど

教えてあげませんヨ。

(ファスナーをあげてくれた執事さんだって事)

だってやきもちを焼いてくれてる真一くんを

見るのが嬉しいから。

それになんだかかわいいから。
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拍手小話(46) [お題]

『左側から見る横顔』

何度見てもドキドキするのは

恋の魔法が解けないから・・・?

でも少し寂しいのは

のだめじゃなく違うものを見てるから?

その目は自分だけを見て欲しい!

女の子なら誰でもそうだと思う

いつか絶対いつか何よりも

のだめが一番だと言わせてみせるから

覚悟しておいて

『待ち合わせ』

いつも早めに着いて待っているのは

真一くん

今度こそはのだめが待っていよう

そう思って仕度をするのに

何か悔しい・・・

「いつも真一くんが先デスね」

「時間に遅れるの好きじゃないからな」

「それってのだめに少しでも早く会いたいからデスか?」

「そんなわけねえだろう」

そういうとプイと横を向く。

ちょっとだけ自惚れていいデスか?

『そばにいてもいい?』

のだめは何も出来ないけど

傍に居ていいデスか?

熱に浮かされながらベッドに横たわる真一くん。

「子供の頃、こうやって寝てるとすごく不安だった。

母さんは仕事で何時間も帰って来なかった」

「のだめはずっとお母さんが居てくれました。

お母さんがダメな時はおばあちゃんでしたネ」

「こうしてると子供の時に寂しさも消えていく・・・・」

真一くんはのだめの手を握りながら少しだけ

嬉しそうな顔をした。

『鳴らない携帯』

最近鳴らないのは忙しいから?

もしかして携帯壊れた?

鳴るかもと期待すると何か虚しいから

もう気にしない

鳴らないのが普通

鳴る方が特別

そう思うことにしたの

『あと少しだけ手を伸ばして』

遠慮がちに手を伸ばす真一くん

そんなに照れくさいの?

のだめがもう少し手を伸ばしましょうか?

そんなに緊張しなくても

さりげなく繋げば良いのに

『寂しいって言えない』

大丈夫デス

平気デスよ

お互い大事な時期だとわかってマス

寂しい、会いたいなんて

言えない

でも心と心が繋がってると

言い聞かせても寂しくて堪らない日もあるんデス

困らせたくないから

必死に出そうな言葉を止めていマス

『2人の距離』

適度な距離

三十センチくらい離れた方がいいデスか?

もっと離れた方がいい?

それとも十センチくらい近づきましょうか?

のだめは隙間がないくらい引っ付きたいデスけど

暑苦しいデスか?

『ひとりきりの帰り道』

「今日は勉強したいんだ」

勝手に期待してたのだめが悪いんデス

まだいっぱい話したい事があったんデスけど

もっと一緒に居たかったんデスけど

のだめは勉強の邪魔デスか?

色んな事を考えながら一人歩いてると

なんだか少し涙腺が緩んできました

拒絶されたわけでもないのに

変デスね

『待ってるから』

お互い同じように歩けるように

今は我慢しマス

それが遠い未来でなく

近い未来と信じて待ってマス

『おかえり』

何処かに行っても

最後には此処に帰ってきて

「おかえり」

と言ってもらえるように

そしてそう言えるように

頑張りマス

自信はありマス



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拍手小話(44) [お題]

『ボーダーライン』

「朱交われば赤くなるとはよく言ったものね」

「どういう意味だ?」

「チアキものだめ化してるって事よ」

「・・・俺はあんなに変態じゃねえ!」

「以前のチアキならあんな部屋で一秒も我慢できなかったでしょう?」

確かにターニャの言う事も頷ける。

前よりましになったとはいえ

あんなゴミ部屋で過ごせるようになってる・・・。

「・・・・・・・」

「変態かそうじゃないかなんて曖昧な境界線かもね。

どこにボーダーラインを引くかはその人の考え方でしょう?」

「ボーダーラインなんて言葉なんて俺は曖昧すぎて

好きじゃねえ」

「チアキは白黒はっきりしたがる性格だものね」


『あと5分時計の針を遅らせて』

「もう行くんデスか?」

さっきまで隣で眠っていた真一くんに聞いた。

「・・うん。今日もオケの練習あるから」

「・・・・そうでしたネ」

昨日そんな話をしていた事を冷め切っていない頭で

思い出した。

『あと少し、せめて後五分だけ一緒に・・・』

別れ際はいつもせつない。

こんな風に感じてるのは私だけ?

『昨日時計の針を遅らせておけばよかった』

でもそうしてももう少しだけと思うから

同じ思いをするんだろうか?

『俺(私)はキミ(あなた)の何?』

千秋サイド

夜中に目が覚めると安心しきったのだめの顔を見る。

俺にとってこいつはなんだろう?

世間で言う恋人?

同じ世界を歩く同士?

いやライバルか?

とかくのだめは色んな要素を含んでいる。

のだめサイド

真一くんのとってのだめはどういう存在デスか?

恋人デスよね?

未来の妻デスよね?

そう思っていていいデスか?


『次の約束』

次は?なんてどこかのお店の子みたいで

とても言えない。

約束って言葉が今は重い。

真一くんはそう感じてるの?

無理なお願いなんてしないのに。

気まぐれだけを待ってる自分が

ほんの少し寂しくて

切ない・・・・。

でも別れ際の『またな』って言葉が

凄く嬉しい・・・・!

『声が聴きたい』

ダメ

今はダメ

きっと仕事中だもの

だから電話しちゃいけない

・・・・

でももう随分会ってない

最近見かけたのは

写真雑誌。

分かってる

こんなの全部嘘だって

作り物だって

でも真一くんの言葉で

『気にするな』って聞きたい

ただそれが聞きたいだけ


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拍手小話(43) [お題]

『嘘つき』

(のだめサイド)

のだめは真一くんと出会ってちょっぴり嘘つきになりました。

そのおかげで多分、嘘がうまくなったと思いマス。

「今度の公演の練習で今月もそっちに行けそうにない、悪いけど」

申し訳なさそうに言う真一くん。

「駆け出しの指揮者だから仕方ないデス。

別の用があるわけでもないし・・・」

のだめとデートする時間がないくらい頑張らないと

いけないくらい分かってマス。

それはのだめも同じだから。

だけど向こう(桃が丘音大時代)に

居たころの方がよかったかもしれないと思う事もありマス。

あの頃はもっと真一くんが近くに居た気がするから。

「本当に悪い・・・」

随分前に約束していたデート。

それを励みに頑張っていたけど。

「ほんと言うとのだめも試験でそれどころじゃないんデス。

じゃあ・・・・」

試験なんて嘘・・・・。

本当は凄く楽しみにしてた。

(千秋サイド)

のだめの奴最近物分りがよすぎる。

前なら

『のだめとっても楽しみにしてたんですヨ!

その代償に指輪買って下サイ』

くらいは言ったのに。

これって倦怠期か?

それとも俺の事、どうでもよくなったとか?

ああ、なんだかイライラする

『胸の奥に隠した真実』

(のだめサイド)

真一くんの事、本当に凄く好きデスけど

少しだけ悔しくてたまらない事がありマス。

それはのだめがどんなに頑張っても

追いつけない事。

真一くんは『おまえにはおまえにしかないものを

持ってるから人の事は気にするな』

って言ってくれるけど

のだめが一番好きなのも

一番負けたくないのも同じ人だから。

のだめの胸の奥のこんな気持ち

知ってマスか?

気づいてマスか?


(千秋サイド)

俺は良い人間じゃない。

周りが言うほど真面目じゃないし

お節介でもない。

のだめや峰は俺の心の奥にある黒い部分を

知っているんだろうか?

『理論武装の恋』

「理論武装(りろんぶそう)」は、個人や組織が他者や外部からの批判などに備えて自己の立場を正当化するための理論をつくり出す様子を、戦いに備えて武装する様子になぞらえた言葉である。時には学問上の知見や史実が取り入れられることもあるが、真理の探究ではなく、あくまで他の人々を説得することに主眼がおかれている。例えば、ある程度規模が大きくなった宗教団体では教義を体系化する活動が盛んに行われるが、これも一種の理論武装としての性格を持つと考えられる。(ウィキペディア(Wikipedia)より)

(のだめサイド)

のだめはピアノを弾く事でしか

真一くんを繋ぎとめられない。

卑怯だと言われても構わない。

人がどう思おうとのだめはそれが自分の中で正しいと思うから。


(千秋サイド)

親の七光り・・・・

その言葉がいやが故にも俺の心に

突き刺さる。

『千秋雅之』

オレと母さんの捨てて出て行った最低の男。

じゃあ、オレはどうして千秋真一なんだ?

三善真一じゃない?

あんな男の姓を何故?

まあいい。

俺が『千秋雅之』を超えれば

誰にも何も言わせない!



*管理人はバカなので「理論武装」の意味が分からず

調べました。











『抱き締める』

(のだめサイド)

大きくて暖かい腕の中。

どうしてかわからないけど

凄く幸せな気分になる。

一人寒い夜はそれを思い出しながら眠りマス。

夢で見て目が覚めると知らないうちに

涙が零れていて自分でも驚いてしまう。

真一くんはどうなの?

そんな事ある?

(千秋サイド)

疲れて熟睡してるはずなのに

夜中に目が覚める。

隣ののだめを無意識に手探りして

いないことを思い知らされる。

自分で決めた事なのに

侘しさがこみ上げてくる。

おまえのぬくもりを思い出す。

『今、何してる?』

(のだめサイド)

毎日がとても忙しくて家に帰ってきて

何も出来ずに眠ってしまう事が多いけど

そのほんの少しの何分間の時間に

『今、何してるの?』って心の中で問う事がありマス。

一人で楽譜と向かい合ってる?

それとも練習中かな?

きっと真一くんの事だからオケの人たちと衝突しながら

ねちこい言い方でみんなににらまれてたりして・・・。

でもそれが何かを追求するって事デスよね。

今、電話しても多分出ないでしょう?

だから全部忘れて寝ちゃいマス。

おやすみなさい。

(千秋サイド)

前、会ったのいつだっけ?

そう思うくらいのだめを放りっぱなしにしている。

でも捕まえていようとしてもあいつはソレを良しとしない。

しかしそれは男の身勝手な言い逃れか?


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拍手小話(42) [お題]

『恋と愛の曖昧な境界線』

(のだめサイド)

真一くんは最初のだめの事どう思ってましたか?

きっとへんな女だと思っていたんじゃないデスか?


多分のだめはその頃眠り姫だったと思いマス。

素敵な王子様の存在なんて頭の片隅にも

なかったから美味しいものをいっぱい食べて

友達とふざけあってれば幸せだったんデス。


恋の始まりはみっともいいものじゃなかったケド

どんどん加速して一日中、真一くんの事ばかり

考えてました。


恋と言う言葉も意味も知らなくて

動物が飼い主に懐くようにくっついて。



好きな人はいっぱいいるけど

恋してる人も一番愛してる人も

真一くんデスから・・・。


(千秋サイド)

俺を好きにならない女なんていないと思ってた。

案の定のだめもそうだった。

あの手この手で俺の気を引こうと躍起になっていた。


でもいつの間にか俺の隣にのだめが居るのが当たり前に

なってきた。


俺はただのだめのピアノに・・・・。


シュトレーゼマンの言葉も素直に受けとれなかった。

俺はどうして大きな荷物を背負い込もうとしたんだろう?


引き込まれないように頑張ったのに

結局のだめに押し切られる形になった。


恋?自分を見失うほどの恋なんてした事はない。

それなのにのだめにこだわる理由は何だ?


認めたくないが俺は多分のだめを大事に思ってる。

それを人が恋だの愛だのいうのなら

それと同じだろう。



『一人が寂しい事を教えた人』

(のだめサイド)

毎日面白おかしく過ぎれば良いと思ってました。

音大を卒業したら幼稚園の先生になって

エレクトーンを弾こうと決めていたのに

どうして違う道に歩き出したんだろう。


ピアノをやめたら真一くんが離れていきそうで

怖かった。

そうじゃなきゃのだめには価値なんてなくなっちゃう。


本当はいつも聞きたかった。

たとえ弾く事を止めてものだめの事好きデスかって。

ピアニストじゃなくただののだめでも必要デスかと。



(千秋サイド)

俺は群れるのも馴れ合いも好きじゃない。

まして誰かのために自分の時間を割くなんて有り得ない。



音楽が俺のすべてだから。

指揮者になる事が何よりも優先していた・・・

そのはずだったのに

何のために俺はわざわざ二人分の夕食を用意してる?

帰らない日は何故色んな缶詰を積み上げて家を出る?


放っておいてもあいつはあいつで何とかするだろうし

俺と出会うまでは少なくともそうだったはずだ。



だけど気づけば何を作ってやろうとか

心配してる俺がいる。


俺は一人なんてなれっこだったのに。



『気がついてなかったなんて言わせない』

(のだめサイト)

のだめに気持ち気づいてないって言わせまセン。

からかうつもりで行動なんてしてまセン。

いつだって本気デス!

だから真一くんも逃げないで下さい。

(千秋サイド)

本気だって言われても

おまえの行動を見てたら信じられない。

いつも捕まえたと思ったら逃げられる。

俺が歩み寄ろうとすればすり抜ける。

『もう少しだけここに』

(のだめサイド)

普通の恋人同士ってこんなものなんでしょうか?

お互い忙しくてたまに会っても音楽の事しか

話してない気がしマス。

それは今を懸命に生きてるから?

目の前の事で精一杯だから?

久し振りに会っても貴方はすぐに自分の世界(音楽)に

還っていく。

『もう少しだけここに・・・居て』

そう言いたいのに遥か遠くを見ている貴方。

のだめはぐっと堪えて笑うしかない。

(千秋サイド)

音楽に夢中になりすぎて大事なものを忘れそうになり

俺は慌ててのだめに連絡する。

以前の俺なら誰が去っていこうと気にもしなかったのに。

ほんの少し恋人らしい時間を過ごし俺は自分の世界(音楽)に戻っていく。

これって身勝手じゃないか?

大切ならもっと二人の時間を大切にするべきなんだろうか?

『並んだ影』

(のだめサイド)

こんな時間まで二人で歩くなんて久し振りデス。

真一くんはどこかに連れて行ってくれようとするけど

のだめは二人でこんな風に歩けるだけで幸せなんデス。

こんな気持ち伝わってマスか?

こっそり真一くんの顔を覗くと

もうのだめの事なんて考えていないと気づく。

じゃあ、せめて影だけでも寄り添っていたいデス。

(千秋サイド)

一日ずっと二人で過ごすなんて久し振りだ。

空白の時間を埋めるようにのだめは俺に体をぴったりついて

充電している。

最近音楽の事以外で話した事は?

それでのだめはいいんだろうか?

無理させてるそう感じるのは

俺の考えすぎだろうか?
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