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忘れられない桜(短編) [花より男子二次小説]

あの時と同じ場所、同じ桜の木。

違うのはあいつがいないだけ。

あんなに綺麗だと思った桜ももう心には響いてこない。

二人で見るのと一人で見るのはこんなにも違うんだね。

いたずらな風が桜の花びらを容赦なく散らす。

可哀想と思いながら

季節が移り変わって欲しいと思う

あたしは酷いかもしれない。

だけどそうじゃないとあいつは帰ってこない。

あいつが行ってからまだ最初の桜だから

早く早く過ぎて欲しい。

「また一緒に桜見ようって約束したよね」

問いかけても返事はない。

そんな事わかってる。

あたしの中のあいつがこんなに大きいなんて

今更ながら思い知らされた。


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再会(花男) [花より男子二次小説]

道明寺が帰ってくる

約束の四年が過ぎた

伸びた髪

少しだけ面長になった顔

あいつはなんて言うだろう

テレビ電話越しじゃなく

実際に会ったら

何を話そう

前の夜はあれもこれも話そうって思っていたのに

今は全部吹き飛んでしまった

「よう」

四年振りに会うあいつは腹が立つほどいい男になっていた

姿だけじゃなく心が大人っぽくなっていた

四年前のドキドキより激しい鼓動

多分、あたしはもう一度道明寺に恋をした

前よりもっと好きになった

自然と流れる涙

「おかえり・・・」

懐かしいコロンの香り

「相変わらず小せえなあ」

見下ろしながら頭を撫でる

「あんたが無駄に大きいんでしょう!」

「その言い方、すげえ懐かしい!」

嬉しそうに笑うあいつ

変わらない子供みたいな笑顔

「もうどこにも行かないよね?」

「ああ、ずっと一緒だ」

大きな体、大きな腕があたしを抱き締めた
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せつない想い(花男) [花より男子二次小説]

『四年後迎えに行きます』
テレビ越しのプロポーズ。
ピンとこなかった。

いつものあいつじゃないように見えた。
ちょっと怖かった。
あいつがあたしから離れて行ってしまいそうで
不安になった。

あたしはシンデレラガールになりたかったわけじゃないよ。
道明寺司という一人の男を好きになっただけ。
子供みたいに笑うあいつが眩しくて
あの大きな手で頭を撫でて欲しいだけなのに
どうしてそっとしてくれないの?

いつも違いを思い知らされていた。
自分が背伸びしてるのを隠してた。
気付かないフリしてた。

「牧野・・・」
崩れそうになるとかかってくる電話。

「・・・元気してっか?」
堪えられずに何度も頷くあたし。
「・・・なんだよ、今日はおとなしいじゃん」
笑いながら言ってるあいつの声。
「寂しい・・・よ・・」
あたしらしくない。
こんな言葉本当にらしくない。

「俺もそうだ。全部放り出して会いに行きてえ」

電話なら二人とも素直になれるね。

「ダメ!あんたが決めた事なんだから」
会いに来てって言いたいけど言えないよ。

「ああ、俺が決めた」
残念そうな声。

「でも今度日本に帰ってきたら離れないから!」
涙で声が掠れる。
「離れたいって言っても絶対離さないからな!」
「うん、うん」

そんな会話をしながら切った電話。
あいつの声が耳に残ってた。

こんな風に四年もまたなきゃいけないのかな・・・。




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