空気みたいな存在(のだめ) [のだめカンタービレ二次小説(短編)]
「せんぱい、プリごろ太の新作一緒に見ましょう!」
ニコニコしながらやってくるのだめ。
「俺は今勉強中だ」
「息抜きもしないと」
俺の言葉を無視してビデオをセットする。
「おい!」
「まあまあ」
あのテーマソングが流れてくる。
もう俺の言う事なんて聞こえてない。
それが彼氏に対する態度か!
「カズオ・・・」
ビデオに陶酔して横で泣いてる。
俺はカズオ以下かよ!!
「新作も泣けましたネ・・・」
「別に俺とこで見なくていいだろう、自分の部屋で見れば」
「カズオにヤキモチ妬いてんデスか?」
嬉しそうな顔に俺はむっとした。
こいつのペースになってる。
「アホか!」
「むきになるとこが怪しいデス」
おもしろがってる。
こいつあきらかに俺で遊んでる。
「フン!」
のだめを無視して楽譜に目を通し始めた。
「怒ったんデスか?」
擦り寄ってくるあいつを完全無視する。
「せんぱい・・」
甘えるように見つめるこの目に俺は勝てない。
「別に・・・」
俺の意地もたいした事ない。
「カズオはせんぱいに似てるから好きなんですヨ」
後ろから俺の腰の辺りに腕を回す。
頬の辺りに髪が触れる。
俺の頬が赤くなる。
「せんぱいの香り。のだめは好きデス。安心できるから」
「・・・」
俺の操縦法よくわかってる。
俺の方が想うってる事が腹が立つけどそれも仕方ないって思う。
こいつって空気みたいな奴だから
居て当たり前で居なかったら生きていけないものだから。
「もう一回見ましょう」
「!?」
本当に俺はカズオに勝ってるのか自信ねえ・・・。
たねさま、ナイス押していただいて
ありがとうございました。
見間違えかとなんども目を擦りました。
by shingo (2008-01-23 07:39)