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秘密(16) [のだめカンタービレ二次小説]

「貴方も私が決断すべきだと思われますか?」

目を真っ赤にしたエリーゼはラードルフに問いかけた。


「そうだね」

思ったとおりの答えだった。

他の答えを期待したわけではない。

それでも聞きたかった。

自分の迷いを消して欲しかった。


「本当に私が決めても良いのでしょうか?」

これ以上は無駄だと分かってはいるが

口から言葉が出てしまう。


「フランツは思った以上に臆病でね。誰かに決めてもらわないと

その場に立ち止まったままになってしまうと思うよ」



「・・・・・・」

エリーゼは一度、気を引き締めるように口をキュッと結んで

目を見開いた。


いつものエリーゼだ。

聞き分けのないマエストロを抑えつける彼女だ。


涙は止まった。

彼女は強い。

いや、本当は強いフリをしているのかもしれない。


千秋はやり取りを見ながらそう思った。


そして彼女もまたシュトレーゼマンの音楽をこよなく愛しているのだと。

そしてどうしようもない彼を人間として好きなのだ。


「フランツ・フォン・シュトレーゼマン、マネジャーである私は貴方の契約を

白紙に戻します」

その声は冷酷でまるで感情が篭っていなかった。

その言葉にシュトレーゼマンは項垂れて小さく頷いた。


俺が同じ立場なら死刑宣告を受けるようなものだ。

耐えられない。



「・・・・・但し、最後に千秋真一と競演をして頂きます」


俺も師匠も驚いた顔でエリーゼを見た。


「それが私の下した決断であり、決定事項です」

エリーゼの表情が歪んだ。











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toshipro

ブログへのお立ち寄り、コメントありがとうございます。
私も気ままにUPしているので、気づきが遅れます・・・
これからもよろしく!
toshipro
by toshipro (2017-08-04 11:50) 

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