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拍手小話(13)(のだめ) [のだめカンタービレ二次小説(短編)]

「や」から始まる言葉。

「ようやく黒木くんの出番デス」

「いや、僕は・・・」

少し顔を赤くしながら後ずさりする。

「クロキン、頑張って!」

オーボエ協奏曲の時のように真澄が発破をかける。

「何を言えばいいのかな?」

「今後の抱負とか愛の告白とか」

「愛の告白?」

その言葉に過剰反応する。

「僕は告白する相手なんか・・・」

「黒木くん、真っ赤ですヨ」

突っ込まれてもっと赤くなり下を向く。

「じゃあ、抱負言うから。コンクールの本選出場及び入賞」

「頑張って下さいネ」

「ゆ」から始まる言葉。

「黒木くん「ゆ」何かありますか?」

「友情とか・・、友愛?」

「クロキンらしい答えねえ」

らしいという意味がわからなくてきょとんとした顔の黒木くん。

「何?」

「黒木くんがまっすぐだって事だと思いマス」

「黒木くんはオーボエを吹く時も背筋はまっすぐで武士みたいだって

オケのメンバーも前に言ってたな」

「いけない事かな?」

「誰も悪いなんて言ってないわよ。ただ融通が利かないって言うか」

「僕は自分がこうだと決めたらよそ見なんかしたくないんだ」

「千秋様に勝るとも劣らないくらい頑固ね」

真澄は苦笑いしていた。

「よ」から始まる言葉。

「オクレール先生のニックネーム知ってマスか?」

「『ヨーダ』だろう?」

「正解デス!」

「おまえがよく言ってるだろう」

「スター・ウォーズの『ヨーダ』に似てマスよね?」

「おまえ自分の師事する先生に・・」

「今はちゃんとオクレール先生って言ってますヨ。『べーべーちゃんの逆襲』デス」

「なんだ、それ?」

「オクレール先生ずっとのだめの事『べーべーちゃん』って呼んでたから

それに対抗してデス」

どうゆう理屈だ?

「ら」から始まる言葉。

「ラブ以外ないデス!」

「ラフマニノフとかラヴェルとかあるだろう?」

「もう充分語りました。ランデブーて言うのもありますネ」

「なんでもかんでもラブモードに変換するんじゃねえ!」

「せんぱいのラブモードもいいですネ」

「違う!」

「そうだ!マングーズも好きですけどラッコも好きですヨ」

最強のマングース出現!

「せんぱいラブソング何が好きデスか?」

「はあ?」

「でもクラッシックばかりだから知りませんよね?」

含み笑いの少しムカッとした。

「俺だってラブソング一つや二つ知ってる!」

「本当デスか?」

あくまでも挑戦的なのだめ。

「尾崎豊の『I Love you』とか『徳永英明の「壊れかけのRadio』とか」

「すごい!今度歌って下さい!!一生のお願いデス!!!」

「そんなに聴きたいなら・・」

こいつは人を煽てるのがうまい。

術中にはまった・・・。

「り」から始まる言葉。

「前に黒木くんにリード見せてもらったんデスけど

とても繊細な物なんですネ?」

「俺もあまり詳しくないが演奏について多くの影響があるらしい。

オーボエ奏者の実力は本人が二割リードが八割と言われるらしいし」

「リードってすごいんですネ。黒木くんその面倒さも含めてオーボエが

好きだって言ってました」

「黒木くんは頑固な所もあるけど音楽に対する姿勢は

誰にも負けないと思う」

「せんぱいもですネ」

のだめに褒められて俺はなんだか気恥ずかしかった。




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