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千秋の子育て奮闘記(19)(のだめ) [のだめカンタービレ二次小説]

「恵」

「お母さん・・・」

「元気ね?」

「お父さん、それに佳孝、おじいちゃん、おばあちゃん」

のだめは驚いて目を見開く。

「千秋くんが航空券送ってくれたとよ」

「真一くん・・・」

やっと止まった涙がまた流れ出す。

やっぱりのだめの家族にも式には来て貰いたくて

家族の航空券を郵送しておいた。

「恵、ほんによか人と一緒になったとね」

のだめは何度も大きく頷いた。

「千秋くん、ありがとうね」

「義兄さん、結婚おめでとう!優一くんと希ちゃん元気にしとっと?」

「ああ。あとで抱っこしてやってくれ」

佳孝くんは向こうで子供の面倒をよく看てくれていた。

希も俺より懐いていたっけ。

あれから半年か・・・。

懐かしい人たちと再会出来た事は本当に嬉しかった。

挨拶を交わしようやく式が始まる。

みんなの視線が集まる。

指揮で注目されるのは慣れているが

やはりこういうのは気恥ずかしい。

教会の入り口からのだめと二人で中央に向かって歩く。

ルー・マルレはベートーベンの第九「歓喜の歌」

(「喜びの歌」という方が一般的かもしれない)を奏でる。

重厚で喜びが広がっていくような曲。

本来ならメンデルスゾーンの結婚行進曲とかが普通だろうが

これが俺達には合ってるかもしれない。

ようやく一番奥の神父が居る所まで着いた。

よくドラマに出てくるシーンみたいだ。

曲がホルストの「ジュピター」に変わった。

よく知られているのが第四主題でイギリスの第二国歌

「マイカントリー」として歌われている。

心に浸透してくるような音楽。

誓いの言葉そして誓いの口付け。

キスなんて慣れてるはずなのに緊張してる。

キスの瞬間歓声と拍手が聞こえてきた。

大学の三年までは今の俺は想像できなかった。

色んな人と出会って色んな事を知ることが出来た。

人としてのあり方も人としての優しさも。

俺はこうして歩いていく。

(了)











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