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忘れられない桜(短編) [花より男子二次小説]

あの時と同じ場所、同じ桜の木。

違うのはあいつがいないだけ。

あんなに綺麗だと思った桜ももう心には響いてこない。

二人で見るのと一人で見るのはこんなにも違うんだね。

いたずらな風が桜の花びらを容赦なく散らす。

可哀想と思いながら

季節が移り変わって欲しいと思う

あたしは酷いかもしれない。

だけどそうじゃないとあいつは帰ってこない。

あいつが行ってからまだ最初の桜だから

早く早く過ぎて欲しい。

「また一緒に桜見ようって約束したよね」

問いかけても返事はない。

そんな事わかってる。

あたしの中のあいつがこんなに大きいなんて

今更ながら思い知らされた。


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