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受け継がれる想い(1)(テラ) [地球へ・・・二次小説]

「どうして僕を見てくれないの?」

トォニィのその問いかけにも応えようとしない。

「昔は僕を見てくれていたのにどうして・・・」

最後あたりは辛そうに言葉が途切れる。

応えないままジョミーはそのまま立ち去ろうとする。

「ジョミー!」

こんなにもジョミーの為に頑張ってるのに

褒めてくれるどころか目すら合わせようとしてくれない。

たまに向き合っても冷たい目で見つめるだけ。

トォニィにはジョミーがどうしてそんな態度を

取るのかわからなかった。

ただ昔のように微笑みかけて欲しい

望みはそれだけなのに。

思念波を送ろうにもシールドされていて伝えられない。

タキオンたちの言うように淡い想いなど捨てて

自分の為だけに生きる方がいいんだろうか?

床に崩れているトォニィに誰かが近づいてくる。

素早く立ち上がると叫んだ。

「近寄るな!おまえはマムの仇だ」

憎んでも憎み足りないフィシスだった。

「俺は絶対許さない!!」

フィシスがあの男の手助けさえしなければ

精神(こころ)を壊して自分の母親が死ぬ事はなかった。

その思いがフィシスを見るたび湧き上がってくる。

「トォニィ・・・」

悲しげな顔で見つめている。

ジョミーがかばい立てさえしなかったらこの手でこの憎しみを

晴らすのに・・・。

フィシスにはジョミーがどうしてトォニィ対してこんなにも

冷たい態度を取るのかわかっていた。

その理由をトォニィ伝えたかったが自分の言う事など

聞く耳を持つはずなど無い事も知っていた。

でも苦しんでる様子を感じてここに来ていた。

『ジョミー、あの子にはもう貴方しか居ないんですよ。

もっと優しくしてあげて下さい』

ジョミーの返答はない。

ただ悲しみに満ちた感情だけがベールが

落ちてくるように広がっていく。

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