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受け継がれる想い(2)(テラ) [地球へ・・・二次小説]

「ソルジャー・シン、トォニィたちは孤立しています」

リオがダイレクトに言葉を伝えてきた。

ジョミーは薄れ行くブルーのピジョンを見つめていた。

青の間、ここの住人はもう居ない。

この場所はジョミーとブルーが僅かな時間でありながらも

親子の愛情よりも深い感情を交し合った聖地とも言える所。

ここしかくつろげる場所はない。

ここを出れば指導者として徹しなければならない。

「ジョミー!」

返答を求めるようにもう一度リオが呼んだ。

「人類がミュウを忌み嫌うようにトォニィたちの存在自体が脅威なんだ」

「彼らが悪いわけじゃありません」

あの優しいジョミーの言葉とは思えない。

「・・・・リオ、人類とミュウの和平が成功したとして今度はトォニィたちが

地球を追われる事になるだろう」

「そんな・・・!」

「一つの問題が片付いたとしても新たな問題が生まれる」

淡々と話を続けるジョミー。

「戦う上でトォニィたちは必要だ。きっと僕が命がけで戦えと命じたらきっとそうするだろう。

でも彼らを犠牲にしたくない」

「だからわざと冷たい態度を?」

「ユウイとカリナに合わせる顔がなくなる」

明らかにジョミーの声は震えていた。

「申し訳ありません。貴方なりの考えがあった上での事だったんですね」

リオは自分の思慮の浅さを恥じた。

交信が終わるとジョミーは目を閉じた。

幼かったトォニィの姿が頭の中に浮かんでくる。

『グランパ、大好き!』

「おまえを愛してる。だからこそ死なせたくないんだ・・・」

ここに居れば将来和平の道が開けたとしても

トォニィたちが辛い思いをするに違いない。

戦力を弱める結果になったとしても解き放ってやりたい。

もう充分すぎるほど尽くしてくれたのだから。







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