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同窓会(2)(のだめ) [のだめカンタービレ二次小説]

恐怖の時間はようやく終わりを告げて

俺は日本の地を踏みしめた。

つとめてもう一度飛行機に乗らなくてはいけない事を

思い出さないようにしようと思った。

「のだめ、ぼーっとしてるとはぐれるぞ」

「やっぱり飛行機から降りるとカズオに変身するんですネ」

呆れたように言う。

その言葉で飛行機の中ののだめの態度を思い出した。

「誰がカズオだ!」

「ほらまた」

「うるさい!ぼけっとしたおまえを連れて帰る俺がどれだけ大変か」

「のだめ、ぼけっとなんかしてませんヨ!」

俺は痴話げんかでも見るよな周囲の視線を感じ

慌てて口を閉じた。

帰国した途端何故こんな恥かしい思いをしなきゃならないんだ。

静かになるとクスクスと笑う女性の声が聞こえてきた。

俺とのだめはその声に聞き覚えがあった。

「清良」

税関の列の少し後ろ清良が立っていた。

続いて出てくる清良を待って三人で喫茶店に入る。

「着いたのがそんなに変わらなかったんだ」

「そうみたいね」

相変わらずきりりとした自信に溢れた彼女の姿に

ウィーンでも頑張ってるんだとわかった。

突然、噴き出す。

「あ、ごめん!さっきの二人のやり取りを見てたら

変わんないなって思って・・・」

ずっと見られてたのかと思うと顔から火が出そうだった。

「千秋くん、何かかわいいな」

「・・・・・」

のだめはきょとんとした顔で話を聞いている。

俺は清良が言った意味を知られないように話題を変えた。

「同窓会の件で帰国したんだろう?」

「ええ、偶然予定が開いてたから」

「卒業生全員に送られたのかな?」

「どうだろう。でも変なのよね。学校の創立何十周年でもないのに」

卒業して三年・・・、

同窓会にしてはたしかに少し早い気がする。

「きっと何か素敵な事あるんじゃないデスか?」

俺と清良はのだめの方を見た。

誰かが仕掛けたサプライズかもしれない。

多分清良も俺と同じように感じたようだった。






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