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十日戎 [のだめカンタービレ二次小説(短編)]

―のだめの実家にて―

「ええ~っ!!」

のだめがこれでもかという声で目を丸くして叫んだ。



俺は少し遅めの年末休み(もう新年だが)を

やっと取れる事となり日本に帰国している。

三善の家には此処に来る前に寄って

とても貴重な残りをのだめの実家の大川で過ごしている。

と言ってもさっき着いたばかりだが。


「恵、千秋さんが知らんのは無理なかよ」

「そんでん姉ちゃんが知っとって義兄さんが

知らん事なんて意外だな」


佳孝くんにそう言われると何だがすごく恥ずかしい気がしてきた。


「ばってん、私らとこはのり農家やけん」

「そうたい。そげんこつ大したことじゃなかよ」

あまりに援護されると少し情けなくて

「外国暮らしが長くて・・・」


みんなの視線が痛くて子供のような言い訳を

してしまった俺。


「十日戎は1年の無事を感謝して、五穀豊穣、大漁とか

商売繁盛を祈願するものなんですヨ」

『初めて聞いた・・・』

三善のおじさんに聞いた覚えもない。



それより何よりのだめに説明されてる自分が悲しい。

しかし此処は駄々をこねるよりこの一言だ。



「すごいです、のだめさん」

「わかればいいんデス」

へたな事を言うと段々深みにはまりそうだ。


「じゃあ、今年は恵に福笹たのもうかね」


「なんでみんなで・・・」


お父さんの言葉を遮るように洋子さんが

肘で合図を送った。


二人の邪魔になるからと気を回してくれたのだろう。


「真一くん、十日恵比須神社は遠いから

近くの日吉神社に行きましょう」


この日ばかりは俺はのだめに感心しきりだった。

神社の手水に参拝の作法を説明された。

もしかして俺が思ってる以上に常識人か?

そんな考えが浮かんでくるほどだった。


帰りに去年より大き目の服笹を持って帰ってきた。












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