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飛び火 [のだめカンタービレ二次小説(短編)]

「もう一体なんなんデスか!」

のだめが俺の隣で切れた携帯電話に向かって

怒っている。

それは俺が溜息をついてる理由と同じだった。

違いは電話の主が違うこと。

のだめはゆう子さんに俺はジャンにうんざりしている。

「って言うかゆう子さんって友達いないんデスか」

「それはジャンも同じだな」

婚約してからどういうわけか

二人からの電話やメールが多くなった。

メールの返信が遅れると決まって電話がかかってくる。

「ゆう子さん、何気に自慢話ばかりで・・」

「ジャンの方はどうしてだか俺に早く結婚しろと

言ってくる・・・」

死なばもろともと言う事か。

わかならいでもないが。

俺はまだ24だ。のだめもまだ23。

結婚を急ぐ理由はない。

「結婚っていいデスかね?」

「さあな。俺はまだ経験ないから」

「あったら困りますヨ!」

俺としてはこういう話題は極力避けたい。

のだめが先走りするのは分かりきってるし。

「・・・もしかしてのだめとは遊びとか?」

ほら来た・・・。

「俺はそんな器用な男じゃない。ただでさえ時間が足りないのに

これ以上ほかの事で煩わしくしたくない」

「のだめの事飽きたんデスか?」

「どうしてそういう話になる?」

とんだ災難だ。


「だって真一くんこういう話題避けてるみたいデス」

それは当たってる。

でも今はまだ地盤を固めたい。

どう言ったらわかる?

それが男と女の違いか?


「時期尚早だろう。俺はまだ駆け出しだし

おまえもやっとデビューした所だし」

「それは・・・わかってマス・・・」


「俺たち焦る歳じゃないだろう?

それに左の指輪の効力はそんなに薄いのか?」

のだめは大きく首を振った。


後にも先にも指輪を送ったのはのだめだけだ。

その大きな意味を理解して欲しい。

女は形を気にして男はそれを捕らわれない。

そんなものなんだろうな。
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