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あれから・・・・ [のだめカンタービレ二次小説(短編)]

あれからのだめの様子がおかしい・・・。

いつもの妄想癖と言うよりは脱力感が漂っている。

前みたいに一日泣いてるようなことはないけど。

「のだめ、久しぶりにピクニックでも行くか?」

「・・・・」

俺の声も届かない。

ただ空虚を見つめている。

「俺がとびっきりのサンドイッチを作ったから」

「・・・・そう・・・デス・・・ね」

「じゃあ、今から行くぞ」

半ば強引にのだめを車に押し込んで連れ出す。


少し窓を開けては走る。

風が心地いい。

それでものだめは浮かない顔。


一時間ほど走って路肩に止める。

ドアを開けて出るように促す。


二人で少し歩くとのだめが小さく呟いた。


「あっ?」

「どうした・・・?」


肩に落ちてきたものを俺の目の前に持ってくる。


「桜・・・?」


その言葉と同時に二人で見上げると少し小さめの桜が見えた。

まだそれほど咲いていないが蕾がほころびかけている。


「こっちで桜が見れるなんて・・」

「俺も知らなかった」


しばらくのだめは黙ったままだった。

俺も何も言わず桜を見ていた。



「桜も頑張ってんデスね」

「うん」



それから堰を切ったように話し始めた。

日本が大変なのに自分が平穏に暮らして良いのか

心の中に罪悪感を感じて音楽にも打ち込めなくなった事。

どうすれば良いかわからないという気持ち。



俺は何も言わずにずっと聞いていた。



「自分だけが辛いんじゃない。でもどうすればいいか

わからなくて・・・」

苦しげに頭を抱える。


「一人で抱え込むな。俺も同じだから」


のだめの頭を抱えながら言った。

のだめはただ小さく頷いた。




ちょっとずつ前を向いていこう。




















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