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まだ始まったばかりですよ(のだめ) [のだめカンタービレ二次小説(短編)]

此処は日本じゃない

俺くらいの奴はごろごろいるヨーロッパなんだ

わかってたはずだ

気が遠くなるくらい怖くて

不安で眠れない毎日が続いたとしても

俺はここに来たかったんだ

千秋は顔を両手で覆いながら苦悩していた。

自分の表現したい事が伝わらない。

指揮者だけがライバルじゃない

演奏者も観客もみんながそれだ

「違う!」

俺がまだ未熟なんだ

誰かがなんて言い訳だ

いつもまにかのだめは千秋の前に立っていた。

「せんぱい・・・」

心配そうな顔で覗き込んでる。

そんな顔するな

おまえがそんな顔してたら俺は自分が

許せなくなる

おまえが大事なのに傷つけてしまいそうになる

「なんでもねえよ」

あいつも俺の失敗を知ってるはずだ

否定した所でどうなる

「まだ始まったばかりじゃないですか。

センパイはこれから何十年も生きるんです。

のだめよりずっと長生きするんです。時間なんていっぱいあるんですよ」

柔らかに身体全体で千秋を抱き締めた。

千秋はそれよりも力強くなだめを抱き締めた。

「・・・息が止まっちゃいます・・・」

「そんな事言うな!俺はおまえより長生きなんてしたくない!!」

こいつを失うなんて考えたら俺は自分を保てなくなる

「そんな・・・」

言葉を止めるように口付けを交わす。

「絶対に許さねえからな!」

俺はいつからこんなになった

いつだって手が届く所にいるのに

時々不安でたまらなくなる

「のだめはずっと傍にいますから」

俺の荒々しさをとめられるのはこいつだけ

俺に安らぎを与えてくれるのもこいつ


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