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小さな一歩 [のだめカンタービレ二次小説(短編)]

「何・・・?」

学校の帰りに

黒木くんはターニャに呼び止められた。

「別に用っていうわけじゃないけど・・・」

言いにくそうにしているターニャを後押しするように

フランクが肘で突いている。

「用がないんなら・・・」

「これ・・・!」


半ば強引に何かを押し付けると

フランクの制止も振り切って走り去ってしまった。


要領を得ない黒木くんは

困ったようにフランクを見た。


「・・・あ、えっと今日ヤスの誕生日だよね?」

「そうだけど」


それがどうかしたかという顔で言った。


「ふ、深い意味は無いんだけど・・・」


「?」

益々不可思議な顔でフランクを見る。


「ヤスの誕生日だからっていうわけじゃないけど

ケーキを焼いたらしくて。勿論、ターニャがね」


「えっ?」



何を伝えようとしたのか理解したらしく

黒木くんは少し顔を赤くした。



「それじゃそう言う事だから」


フランクが去ろうとすると黒木くんが呼び止めた。


「ターニャに・・・ありがとうって言っといてくれるかな?」


「うん」


フランクは嬉しそうに答えるとターニャがいるであろう

方に走っていった。



黒木くんは少し照れたような顔で静かに歩き出した。


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