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オクレール先生の誕生日(前編) [のだめカンタービレ二次小説(短編)]

マルレの休憩時間にのだめから電話がかかってきた。

「オクレール先生の誕生会?」

『そうデス。五月九日の夕方から知り合いが集まるみたいで』

知り合いという言葉に俺はちょっと戸惑った。

ルイも来るだろう。

そうなったらまた・・・・。

『聞いてマス?パートナー同伴でもいいって』

「他の友人は?」

『黒木くんはターニャと来るみたいデス』

「ふうん」

『何か予定でもあるんデスか?』

「いや、ただ面識がないし」

『それなら大丈夫デス!ルー・マルレの演奏聴いて

真一くんの事誉めてましたから』

ルイに関してピアニストとしては一目置いてるけど

それ以上の感情は俺に無いから気にする必要はないんだが。

「わかった。車で迎えに行くから」

『黒木くんたちも一緒でいいデスか?』

「マルレの車を借りていくから」

『わかりました』


約束の時間より少し早めに着くと意外にもフランクはヤドヴィガと

一緒だった。

「ヤドヴィガ、人の多いところ大丈夫?」

「あんまり得意じゃないけど・・」

「部屋に篭りっぱなしはよくないよ」

どうやらフランクが少々強引に誘ったらしい。



「大人四人だとちょっと狭いな」

フランクが思わず本音を吐いた。

「それは申し訳ないな。わざわざマルレの車を借りてきたんだが」

「ごめん。乗せてもらってるんのに」

「タクシー代もバカにならないし文句言わないの!」

そういいながらも

「ヤス、もう少し寄ってよ」

「これ以上無理だよ」

「フランクが場所取りすぎじゃない?」

「幼稚園バスじゃないんだから少しは静かに」

俺の言葉に静まり返った。

隣ののだめは可笑しそうに笑っていた。

後ろを見なくてもターニャが少し膨れた顔を

しているくらいわかる。

横の黒木くんがなだめているだろうし。

フランクは申し訳なさそうに体を小さくして座ってる気がする。

ヤドヴィガは付き合いが浅いからわからない。


オクレール先生の家は街から少し離れているが

一般のそれより広くて大きかった。


テーブルには沢山の料理が並べられ

多くの人が既に来ていた。

当人もご機嫌な様子でワイングラスを手にしながら

談笑している。


「すごい人ね」

「音楽関係以外の人もいるみたいだね」

「のだめ、ちゃんとプレゼント用意してるのか?」

「勿論デス」

自信満々に取り出したのはどう見ても

日本の饅頭だ。

「おいおい・・」

「なんデスか。オクレール先生はお饅頭大好きなんですヨ」










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