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遠い約束(7) [のだめカンタービレ二次小説]

俺はこの小さな世界から出たかったんだ。

でもトラウマのせいで日本から出る事は出来ないと

諦めていた。


そんな俺を救ってくれたのはあいつだった。

本当なら自分が治してやったんだと

言えばいいのにあいつは何も言わなかった。

それにそれで俺が日本から飛び出すのを

分かっていながら・・・。

それから急激に俺の中にあいつが入り込んできた。

それでもあいつへの想いを認めたくなかった。

俺があいつに惹かれてるなんて信じられなかった。

だから俺の方が優位だと思っていた。

うぬぼれていたんだ。


此処にあのまま居れば俺は俺様のままで

居られただろう。

サル山の大将のように

羨望と嫉妬の視線を集めながら。


それでも外の世界を見たかったのは

望んだのは俺だ。




「やっぱり懐かしいなあ」

峰が学生時代を思い出したように少し照れながら言った。

「・・・・・・」

自分でも持て余してどうする事もできなかった想いを

あいつは救ってくれたんだ。

どうしてもっとあいつを真剣に受け止めてやらなかったんだろう?

もっと大切にしてやらなかったんだ?



此処は思い出が多すぎて心が痛い・・・・。


「おい、もしかしたら千秋やないか」

俺とあいつを繋ぐ事になった人物の声が聞こえた。


「ハリセンじゃねえ、江藤先生」


「おお、やっぱり千秋、それから・・・・」

江藤はとぼけているのか本当に分からないのか

峰の顔をじっと見て考えていた。

「お久しぶりです」

千秋は視線を合わせず決まり文句の言葉を口にした。














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