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遠い約束(21) [のだめカンタービレ二次小説]

「あの真理恵っていう子供はもしかして

俺の子供なのか?」

身に覚えがないわけじゃない。

というより俺の子供であってほしい。


「・・・・・違いマス」

のだめは俺の方を見ないで小さな声で言った。


のだめの目は見えないけど分かる。

その言葉が嘘だと。


「あの子の名前に俺とお前の名前が入ってる?」


「・・・・・・」


のだめを追い詰めたいとは思わないが

今すぐ真実を知りたかった。

しかし、のだめが言った事は衝撃なものだった。


「・・・・あの子が真一くんの子供であろうとなかろうと

関係ないじゃないデスか」

「えっ!?」

俺は自分の耳を疑った。

何故そんな風に言うんだ?


「関係ない?」


「ハイ」

冷たくて感情のこもっていない言葉。

「関係ない事はないだろう!?」

穏やかに話すつもりだったが

いつのまにか声を荒げていた。


「どうして怒るんデスか?あの時、真一くんは子供なんて

考えられないって言ったクセに」

「あの時?」


俺は過去を思い返した。


最後に言い争った時の少し前を思い出そうと

必死に考えた。

どうして子供の話になった?

俺がそんな話をするはずはない。


いや、それより前にのだめが妊娠している事に

俺は何故気づけなかった。

素直に子供が出来た事を言えなかったのは

俺のせいだ。


千秋は溢れ出しそうになる感情を抑えようとした。


「俺が悪いんだな?」

そんなくだらない言葉しか出てこなかった。









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