今日もいい日デス(のだめ) [のだめカンタービレ二次小説(短編)]
「のだめ、早くしないと遅れるわよ~」
ターニャが大きく手を振りながら少し離れた所から
叫んでる。
「今、行きマス」
寝癖も付いたまま靴の後ろを踏んだまま
声がする方に走る。
どかっ!とすごい音ともにのだめは地面と衝突。
「ぼへっ!」
「ああ~、何やってんの」
仕方ないという顔でのだめの方にやってきた。
「水溜りじゃないだけラッキーね」
服の汚れを落としてやる。
「早く、早く!」
待ちきれない様子で腕を掴んで走り出す。
電車の時間が迫っていた。
なんとか間に合って安堵の顔のターニャ。
「本当にのだめと付き合うと寿命が縮まるわ」
「フランクは?」
「昨日、研修でプラハに行くって言ってたのもう忘れたの」
毎日がこんな調子だがターニャもフランクも
どうしても放っておけなかった。
のだめが持つ特有の人なっこさというか
頼りないオーラというかそれにやられてしまっている。
今日は新しい課題曲の初見。
こなしてもこなしても次から次に渡される譜面。
最初は苦痛以外何もでもなかったが
色んな曲を弾いてるうちに世界が広がっていくのが
嬉しさに変っていった。
「どうしたの?いい事でもあったの」
マジノ先生が聞いた。
「今日もいい日だったなって思ったんデス」
満面の笑みで答えるのだめに
つられる様にマジノ先生も笑った。
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