遥かなる思い(2)(テラ) [地球へ・・・二次小説]
元気な泣き声が響き渡るミュウの母船。
嬉しそうな顔をするものや
困惑する顔のものひきこもごもだ。
「ソルジャー・ブルー、まるで太陽のような男の子ですね」
ジョミーの誕生の映像がメインパネルに映し出される。
「生まれて間もないのにこの子は凄い力を
発している。機械が察知できないほどの」
興奮気味に語るブルー。
久しぶりの嬉しそうな顔にフィシスも喜びが湧き上がってきた。
「この子が我らの運命を握るジョミーなのですね?」
ハーレイは少し心配そうに尋ねた。
「そうだ。僕の亡き後引き継ぐソルジャー」
仲間達はブルーの命がもう長くない事を知っていた。
思わず言葉を詰まらせて黙してしまう。
「この子がここを来るにはもう少し時間がかかるだろう。
だが僕達が今まで過ごした時間に比べれば一瞬とも
言える僅かな時間だ。今この瞬間彼をここに呼ぶべきか
迷ったが彼は人としての心も知らなければならない。
それがどう災いするか僕にもわからない」
「たとえ誤解を生んでしまったとしても
きっとわかりあえるはずです。貴方がどれほどこの子を
待ち望んでいたかを知れば」
「そうであればいいんだが・・・」
「我らも貴方の申し出を快く受けたいですが
彼が本当に適任であるか見極めたうえでなければ
承諾できかねます」
ハーレイだけの意見でなく長老の大半が同じ考えであった。
「・・・・・・」
ブルーは何も言わずジョミーの姿を見つめていた。
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