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のだめカンタービレ二次小説(短編) ブログトップ
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仕返し [のだめカンタービレ二次小説(短編)]

俺はのだめにやられっぱなしなのは

腹立たしくて少し仕返ししてやろうと考えた。


「のだめ!」

まだベッドで眠っているのだめのタオルケットを

剥ぎ取るとカーテンを開けた。


「・・・う~ん・・・。なんデスか・・・?」

目を擦りながら聞いた。


「ジョギングに付き合え!」


「ええ~!どうしてデスか?」


「最近お前少し太っただろう?」


のだめはギクッとした表情で否定した。

「そ、そんなことありませんヨ」

「どうだかな?昨日買った福袋のサイズじゃ

着れないんじゃないか?」


のだめは自分の身体を見渡しながら

大きく首を振った。


「たまにくらい身体を動かせ」


レディス用のジャージをのだめに渡した。


「これは・・?」

「ヒラヒラしたスカートじゃ走れないだろう」


「真一くんが買って来たんデスか?」

「・・・やむなくな」





「のだめもうちょっと早く走れないのか。

それじゃ歩いてるのと変わらないぞ」



何メートルの走らないうちに

のだめがへばってしまった。


「急に起こされて日頃走ってない・・のに

無理デスよ・・・」



いつもの二倍ほど時間をかけてようやくジョギングを

終えての帰り道。



「のだめ、もうお腹ペコペコデス」

腹を押さえながらひもじそうに訴えた。


「せっかく消費したのにな」


「のだめ、ジョギングなんて中学以来デスよ」


「帰ったら美味いもの作ってやるよ。まあ頑張ったからな」




その日のだめは俺の分まで朝食をたいらげて

また少しスカートがきつくなったと

後日メールが送られてきた。





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福袋争奪戦 [のだめカンタービレ二次小説(短編)]

どうして俺まで・・・。

まだ寝癖も直してないし

朝のジョギングも・・・・。

「いいですか!?スタートが重要なんですよ!」

のだめが確認するように俺を見ながら言った。

「そうですわ、千秋さま」

真澄も闘志を燃やすように言った。

「二人で充分だろう?」

俺は面倒そうに言った。

その言葉が終わりきらないうちに

「何言ってデスか!」

「二人と三人じゃ大違いですわ!」

俺はその剣幕に押されて少し後ずさりする。

「じゃあ、峰ではいいだろう?」

「峰くんは清良さんのとこ(ウィーン)デス」

「本当は菊池くんとか黒木くんも来てもらおうと

思ったんですけど二人とも携帯が繋がらなくて・・・」

菊池は一人目の彼女用の携帯以外電源をオフにしてるんだろう。

黒木くんは確か修行とか言ってたから

家に置いたままなんだろう。

俺もただならぬ気配を感じて電源を切っていたのに

早朝(二時半)にピンポン攻撃で叩き起こされた。

この寒い中デパートの前で早四時間。

福袋をゲットしたいという理由が頭数に入れられた俺は・・・

不幸としか言い様無い。

「千秋さま、のだめ、もう一度シュミレーションしましょう」

真澄の眼が真剣すぎる。

はっきり言って怖い。

「そうデスね。本番にぬかりがあるといけませんから」

それ以上にのだめが本気だ。

「千秋さま、聞いてしらっしゃいます?」

「ああ・・・」

「私が二番の狙いに突入しますから千秋さまはのだめと二人で

メインをお願いしますわ」

デパートの配置図を広げながら説明する。

シュミレーションは繰り返される。

はっきり言ってくだらない。

そう思っていた、

しかし修羅場と化した売り場で一番必死になっていたのは

間違いなく自分だった。

目的のものを手に入れた瞬間は

まるで体育祭かなにかの勝利者のように嬉しかった。


「千秋さまの格好・・・」

真澄が少し可笑しそうに言った。

気づかないうちにシャツは引っ張られて伸びていた。


「名誉の負傷って奴だ」


俺は少し恥ずかしくて怒ったように横を向いた。


「真一くんだけじゃないですヨ。真澄ちゃんだって」

「何言ってんの!そう言うあんただって」


三人はそれぞれの姿を見て笑いあった。


結構おもしろかったけどこんな事は一年に一度でいい。


「真一くん来年も来ますよね」

「さあな」


俺は適当に濁したが嫌でなかったと気づかれてるようだった。
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変化・・・ [のだめカンタービレ二次小説(短編)]

俺には家族揃ってクリスマスを過ごした記憶が無い。

母さんが一人忙しそうに動いていた事だけ

よく覚えている。

「お父さんは・・・?」

そう聞いていたのは三歳くらいまでだっただろうか?

子供ながらにも大人の事情を汲んでしまう

ませぐれた子供になってしまった。


それでもおやじが今年くらいは来てくれるかも

そう期待していたのも事実。


待つのに疲れた母さん。

期待する事を止めた俺。


今更家族でクリスマスなんて

そう思っていた。

逆に言えばこんな日くらいおやじを

思い出すのも顔を見るのも嫌だった。



「何不機嫌な顔をしてるんデスか?」

のだめが俺の肩を軽く叩く。


「のだめ・・・」


のだめはおやじの事を嫌いじゃないんだろうか?

「もうすぐみんな来ますヨ」


みんなの中にはおやじも入っている。

来るんだろうか?


「ああ、ノンちゃん」

大きなツリーを引っ張ってる希を抱き上げる。

相変わらずおてんばな娘。

優一は賢くじっとしている。

対照的な子供達。


「のだめ、希を捕まえといてくれ」

「ハイ」


おやじが入院して俺の気持ちも少しずつ変わってきた。

昔のように反発心も憎しみも殆んど無い。


それは多分、病室で見た意外なおやじの姿のせいだろう。


嬉しそうに二人を抱いていたその姿が

鮮明に心の中に残っている。


その時、俺は覚えていないが同じように

抱いてくれたと感じた。

気持ちを素直に伝える事の出来ない不器用さ。



この再会がまた俺とおやじの距離を近付けてくれるだろう。

のだめはそこまで深く考えて行動してるとは思わないが

何気なさがうまく働いている。




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勤労感謝の日は何もしない日 [のだめカンタービレ二次小説(短編)]

「今日はのだめは何もしません」

大の字になってこたつに寝転がっている。

俺は聞えないフリをして

ちらかっている部屋を片付けている。

「真一くんも掃除なんかやめて、ここにどうぞ」

自分のすぐ横を指でトントンと突く。


こんなゴミの中で横になれるか!

と叫びたいのを抑えて掃除を続ける。



「本当に潔癖症なんデスから」

拗ねたようにこたつ布団の端を摘む。


俺は無視を続ける。


「真一く~ん。ちょっと冷たいんじゃないデスか」


「のだめ、勤労感謝の日っていうのは

日頃ちゃんと頑張ってる人の休日だ」

ちゃんとという所にアクセントをつけながら言った。


「のだめだって普通の日はピアノ頑張ってマス」


「そうだろうがこんな状態の部屋でくつろげないだろう?」

「いえ、別に。必要な物は手に届く所にありマスから」


テレビのリモコンに缶ジュース、お菓子は確かに

手を伸ばせば届く所にある。

でもそうじゃないだろう?



のだめはともかく俺は特に変わることのない日だった。





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リアルのだめの話題 [のだめカンタービレ二次小説(短編)]

(の)真一くん、ジュネーブ国際音楽コンクールで

   日本人初一位が出たそうです。

(千)らしいな。

(の)萩原麻未さんんという二十三歳の女性なんですヨ!

(千)最近日本人の受賞が多いな。

(の)萩原さんはのだめと同い年なんデス。

   性格も似てるみたいで他人とは思えません。

(千)萩原さんのお母さんも確かにのだめと

   似てると言っていた。

(の)のだめも負けないように頑張りマス!

(千)いい心がけだな。
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小さな一歩 [のだめカンタービレ二次小説(短編)]

「何・・・?」

学校の帰りに

黒木くんはターニャに呼び止められた。

「別に用っていうわけじゃないけど・・・」

言いにくそうにしているターニャを後押しするように

フランクが肘で突いている。

「用がないんなら・・・」

「これ・・・!」


半ば強引に何かを押し付けると

フランクの制止も振り切って走り去ってしまった。


要領を得ない黒木くんは

困ったようにフランクを見た。


「・・・あ、えっと今日ヤスの誕生日だよね?」

「そうだけど」


それがどうかしたかという顔で言った。


「ふ、深い意味は無いんだけど・・・」


「?」

益々不可思議な顔でフランクを見る。


「ヤスの誕生日だからっていうわけじゃないけど

ケーキを焼いたらしくて。勿論、ターニャがね」


「えっ?」



何を伝えようとしたのか理解したらしく

黒木くんは少し顔を赤くした。



「それじゃそう言う事だから」


フランクが去ろうとすると黒木くんが呼び止めた。


「ターニャに・・・ありがとうって言っといてくれるかな?」


「うん」


フランクは嬉しそうに答えるとターニャがいるであろう

方に走っていった。



黒木くんは少し照れたような顔で静かに歩き出した。


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少しずつ・・・ [のだめカンタービレ二次小説(短編)]

『それでオクレール先生にはちゃんと謝ったんだろうな?』

俺はルー・マルレの短い休憩時間にのだめに電話をかけた。

「大丈夫デス!オクレール先生は本当に病気だって

思ってるみたいデスし」

『そんなわけないだろう!』

自分の大きな声に少し焦ってメンバー達の顔を見渡した。

一瞬驚いたようだが再び雑談を始めた。

「びっくりするじゃないデスか、大きな声」

『あんなに大々的にデビューしときながら

何を言ってるんだ?知らないフリをしてくれてるに

決まってるだろう?』

他の世界にいる人間ならともかく

オクレール先生だってシュトレーゼマンと共演した事くらい

知らないはずが無い。

そんな事もわからないのかと小さく溜息をついた。

「病気だって聞いてたけど元気そうだねって言われましたケド」

『またベーベーちゃんに逆戻りかもしれないぞ』

「え~っ!!」

『せっかく積み上げたものを投げ出したんだから

それくらい仕方ないだろう』

本当に普通なら破門されても文句は言えない事を

したという自覚もないのか?

「だって、だってのだめも真一くんと同じ場所に

立ちたいと思ってもコンクールも出してもらえないし

本当にピアノを止めるつもりで・・・」

言い過ぎた・・・か?

のだめの声が少しずつ曇る。

『とにかくしばらくはオクレール先生に逆らわない。

一足飛びに駆け上がろうと思わない。少しずつ進むつもりで

気負わない事だな』

「オクレール先生怒ってないでしょうか?」

『今日ちゃんとレッスンをしてくれたんだろう?』

「そうデスケド」

俺も自分の事でいっぱいいっぱいで

フォローしてやれなかったしな。

のだめの気持ちもわからないわけじゃない。


『俺は遥か遠くにいるわけじゃない!

ちゃんと待ってるから』

「ハイ」

『じゃあ、きるから』


時に回り道が必要な場合もある。

のだめにとってあれがプラスかどうか

その答えが出るのはもっと先だな。



俺も頑張ろう!

雑談を打ち切り再び練習を始めた。






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映宣5 [のだめカンタービレ二次小説(短編)]

今日のだめの映画の後編がリリースされたと

目覚ましテレビで言ってました。

早く借りてもう一度感動に浸りたいのですが

遅れをとって貸し出し中。

まあ仕方ないですね。

(の)今日感動が蘇りマスよ

(千)俺としては人前でのキスは・・・・

(の)よく言いマスね。一度ならず二度も

   やっときながら

(千)やるって言葉を使うんじゃねえ!

(の)トロチューの時は本当に突然でびっくりしました

(千)過去を持ち出すな

(の)あっ、二度じゃないデス!こたチューも・・・!

(千)・・・もういい・・・!

頭を押さえながら懇願するように言った。

(の)言い訳なんて男らしくないデスよ

(千)・・・・・。それより他の奴らは?

なんとか話題を変えようとする。

(の)またごまかそうと・・・

(千)違う。あいつらも出してやらないと

   可哀想だろう

(峰)さすが俺の親友!

(千)離れろ!

擦り寄る峰を押しのける

(峰)俺と清良のラブストーリーももう少し

   描いて欲しかったな

(清)龍太郎、恥かしい事言わないで!

(峰)だって千秋とのだめのイチャイチャシーンばっかじゃなあ

(千)誤解を招くような言い方はよせ!

  後編は深いストーリーなんだ

(峰)そうか。そういうシーンが多かった気がしないでもないけど

(千)とにかく音楽に対する大切なシーンも多い

   あとお互いの成長とか。恋愛ストーリーオンリーじゃない

(峰)じゃあ、最後のあのシーンは・・・?

(千)(の)////////(赤面)






ちなみに今日は私の結婚記念日です。

嬉しいプレゼントになりました。
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祭の後は・・・ [のだめカンタービレ二次小説(短編)]

「うっとうしいわね!」

ターニャがイライラしたように言った。

「まあまあ、無理もないよ」

フランクも苦笑いしながら諌めた。

「何時間も締まりのない顔で指輪を見てるのよ!」

のだめは夢心地で千秋からもらった指輪を見ていた。

「これで妻の座は不動デス」

「それはどうだか分からないわよ。

千秋がいくら物好きだからって飽きられたらどうするの?」

「今はひがんだ言葉も聞こえません」

「わたしはひがんでなんか・・・」

「ターニャ、ノダメの事は放っておいて

お茶でも飲もうよ」

言い争いを好まないフランクは二人を引き離そうとした。

「それよりヤスとはどうなってるわけ?」

「どうって・・、別に」

「プロポーズされたんでしょう?」

「違うわよ!あんなの」

否定しながらも顔を赤らめる。

「ヤスだってやきもきしながら

返事を待ってると思うよ」

「・・・・急過ぎて・・・」

「僕は悪い話じゃないとおもうけど。

真面目だし」

「それは分かってるわ」

「ならいいけど」

「わたしの事よりフランクはこれからどうするの?」

「室内楽をやって自信をつけてコンクールかな」

「ゆったりとしたフランクらしいわね」


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悩める堕天使 [のだめカンタービレ二次小説(短編)]

「ミルヒの友達が亡くなって元気がないみたいデス」

自分の事のように沈んでるのだめ。

「もう年だし仕方ない・・・」

「なんて酷い事言うんデスか!鬼デス!!」

目を三角にしながらくってかかる。

「この瞬間にも世界で何人か死んでるんだ」

「そういう冷酷な所がみんなが嫌うとこなんですヨ!」

「ミルヒがどんなに・・・」

「俺だってじいちゃんが死んだ時は毎日泣いてた。その辛さを

知らないわけじゃない」

「だったら・・・」

「誰かが何かを言って立ち直れるわけじゃない。自分がそれに納得して

乗り越えなきゃ仕方ない事なんだ」

「・・・・・」

のだめは頬を思いっきり膨らませて黙り込む。

「見守るのも相手に必要な時もあるんだ」

少し荒っぽく頭を撫でる。

「センパイなんか嫌いデス・・・・」

『一人で怒って泣いてバカみたいじゃないデスか』

「シュトレーゼマンならともかく友達のミルヒなら

おまえの優しさが伝わらないわけがないだろう?」

「当たり前じゃないデスか!ミルヒはのだめの友達なんデスから」

一粒涙を零して下を向く。

『センパイだって心配してないワケじゃない。

尊敬する師匠なんだから。もしかしたらのだめ以上に

心配してたのかな?』

「・・・・酷い事言ってごめんなさい・・・」

チアキは少し笑って今度は優しく頭を撫でた。









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