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遠い約束(15) [のだめカンタービレ二次小説]

そんな事俺にわかるはずないだろう!

千秋は腹立たしい気持ちで一杯だった。

しかし、思い返す。


峰の言う事も最もだ。

どうしてのだめはあの河川敷に居たんだ?

産んですぐなら里帰りだろうがあの子はどう見ても

虎太郎より大きかった。

もしかしたらシングルマザーで育てているのか?

ダンナと何らかの理由で別れて・・・・・。

いや、それは俺の都合のいい想像だ。

たまたま、実家に帰ってきてそこに居ただけかもしれないのに。



千秋は考えを巡らせた。

大体、今一人だとしても子供が居るんだ。


子供・・・・・、それがどうした!

のだめが誰かの子供を産んで育てているとしても

そんなの関係ない!!

俺があいつを必要としているんだ。


「千秋、ダンナの事は何も聞かなかったのか?」

現実に引き戻す峰の言葉に千秋ははっとした。

「・・・・・・・」

「まあ、俺が同じ立場でも何も聞けないけどな」


どうする?

もう一度会って確かめるか?


千秋はその場に暫く立ち尽くしていた。




「自分が納得いくまで帰らない方がいいんじゃねえか?」


「・・・・・・・」


「今度は俺も一緒に行くわ」

迷っている千秋を後押しするにはそれしかないと

峰は峰なりに考えた言葉だった。



「おまえには虎太郎も居るし、清良も帰ってくるんだろう?」

「学生時代はおまえに結構助けられたし、まあ、せめてもの

恩返しって奴だ」

照れ臭そうに言った。


「すまない・・・・」

「気にすんな!親友だろう?」

励ます様にポンと千秋の肩を叩いた。


昔の千秋なら絶対に誰かに頼ったり助けを求める事はなかっただろうが

今回だけは事情は違っていた。

一人で行ったら逃げ出すかもしれない。

それ程千秋は追い詰められていた。








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遠い約束(14) [のだめカンタービレ二次小説]

「千秋!おい、千秋!!」

千秋は裏軒に戻ると荷物を持って何も言わずに

出て行こうとした。

それを見つけて峰が追いかけながら叫んだ。





「ったく、何だって言うんだよ!」

しばらく走った所でようやく峰は千秋の腕を掴んだ。


「・・・・・・・」

おまえは何時だって空気の読めない奴だ。

俺が黙って帰ろうとしている理由くらい察しろよ。

千秋は峰を睨みつけた。


「のだめとうまくいかなかったくらい俺だって分かるさ。

だけど挨拶くらいして帰るのが大人としての礼儀だろう」


こいつにこんな事を言われるなんて俺も落ちたもんだ。


「世話になった。あいつとはちゃんと話し合ってきた。

だから俺は向こうに帰る。おやじさんにもよろしく言ってくれ」

感情のこもっていない言葉に峰は怒りを覚えたようだった。

「おまえなあ」

「礼は言ったんだ。手を離せ」

これ以上みじめな気持ちにさせるな。


「のだめがはっきりとおまえとは終わったと言ったのか?」

「・・・・・」

「それなのにどうしておまえがそんな顔をしてるんだ?」

千秋は唇を噛んで何も言わなかった。

「そんなんで帰っても・・・・・」

「終わりも何もあいつ子供を抱いてたんだ!!」

千秋は峰を黙らせるように叫んだ。

何も話すなと言うわりに聞いてくるおまえはうざい。

「子供・・・!?」

峰は予想もしなかったのか凄く驚いていた。

「そうさ。あいつを見つけて声をかけようとしたら

子供を抱いて川を見ていた」

「いくつくらいの子供だ?」

「そんなのわかんねえよ」

子供の居ない俺にそんな事分かるはずないだろう。

「虎太郎と同じくらいか?」

千秋は少し考えてこたえた。

「多分、虎太郎より大きかった。女の子で・・・」

「虎はまだ二歳になってないからそう考えると二歳くらいだな。

あいつが帰ってから三年だろう?帰ってきてすぐに結婚して

子供が出来たって事か」


あいつが俺以外の誰かと付き合って結婚して子供を

もうけるなんて思ってもいなかった。


「あいつと付き合えるのはおまえくらいしかいないと

思ってたんだけどな・・・」


ああ、おまえの言うように俺もそう思ってた。

俺くらいだ、あんな変態を理解できるのはと。


「もういいだろう」

峰の手を振りほどいて再び歩き出そうとした時

峰はまたくだらない事を俺に聞いた。


「でもさ、結婚したんなら何で実家の近くに居たんだ?

まあ、近くに嫁いだのかもしれねえけど」



















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遠い約束(13) [のだめカンタービレ二次小説]

俺はあまりにも自分が愚かに思えて少し笑った。

勝手に待っていてくれているとうぬぼれていただけ

じゃないか・・・・。


確かに三年は長すぎたのかもしれない。

待っていてくれと形振り構わず言えば良かった。

どんなに後悔しても過ぎた時は戻らない。

何もかも遅すぎたと思い知らされた。


「突然こんな所までやってきて悪かった・・・・。

おまえの迷惑も考えずに」

「そんな・・・」

のだめは困ったような顔で千秋を見た。


同情されてる。

千秋は自嘲した。


いや、同情でもなんでもいい。

まだほんの少しでも自分の事を想ってくれているなら。

そんな考えが千秋の頭を過ぎる。


しかしのだめに抱かれている子供の姿が現実へと戻される。


「おまえを困らせるつもりはなかった。ただあんな別れ方をしたから

きっちり話をしたかっただけなんだ」

「真一くんは悪くないですヨ。のだめが勝手に帰って来たから・・・」

「いや、俺は大人気なかった」

「・・・・・・」

「こんな所を誰かに見られたらダンナが誤解するかもしれないな」

ごまかすように笑ったがきっとちゃんと笑えなかったと思う。

「・・・・・・」

のだめは何かを堪えるようにきつく唇を噛んだ。

「じゃあ、幸せに・・・・」

そういうと少しずつのだめから離れた。



もう一度顔を見たかったが振り向けなかった。

男がみっともなく涙を流してる姿なんか見せられない。

最後くらいあいつを心配させたくない。

俺は最後の最後まで意地っ張りだ。

笑って帰りたかった。

だが涙は止まらない。

もう一度だけのだめの姿を焼き付けたい。

だけど振り返れない。



のだめの視線を痛いほど感じながら

千秋は元来た道を引き返すしかなかった。









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遠い約束(12) [のだめカンタービレ二次小説]

千秋はしばらく言葉を失ったままのだめを見ていた。

のだめも何も言わずにただ千秋を見ていた。



「おまえの子供・・・なのか?」

千秋は佳孝か誰かの子供かもしれないと

思いそう聞いた。

のだめの言葉を待った。

淡い期待を持ちながら。



「・・・・・のだめの子供デス」


「・・・・・・・・・」

嘘ではない事はのだめの目を見てわかった。

のだめは嘘をつく時は目を合わさない。


千秋は再び言葉を失った。

そんな千秋をのだめは困惑したような表情で見ていた。


「ママ・・・」

小さい手が構って欲しいと訴えるようにのだめの頬の辺りに触れた。

のだめはあやすように子供の体を小さく揺すった。

その様子を千秋は呆然と見ていた。


「おまえが望んだものは手に入ったんだな?」

「ハイ」

のだめは短い返事をした。


俺は何の為に此処まで着たんだろう?

不安の中にも心のどこかに待っていてくれる。

またあの頃に戻れると思っていた。

勝手にそう思っていた。


確かに三年という年月は自分達の間に流れていた。


「・・・・・そうか」

俺は今までにないほどみっともない顔をしていたと思う。

相手の迷惑も考えずに目の前に現れて

埋めようのない溝を思い知らされたのだから。


「・・・・最後にひとつだけこたえてくれ」

「・・・・ハイ」

千秋は踏ん切りをつけるために一言一言かみ締めながら聞いた。


「今、おまえは幸せなんだな?」

「ハイ、幸せデス」

のだめは躊躇することなく真直ぐに千秋を見て言った。


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遠い約束(11) [のだめカンタービレ二次小説]

千秋はやはり踏ん切りがつかず、のだめの実家から少し離れた場所で

タクシーから降りた。


もしかしたら此処にはいないかもしれない。

それに三年も経って急に俺が来たらあいつだって

驚くに違いない。

やはりよくない考えばかりが浮かんでくる。


自分を落ち着かすために少し歩こうと思った。


のだめの実家まではまだ遠い。

それまで考えをまとめて気持ちを落ち着かせよう。

そう思いながら河川敷を歩いていた。




ふと川べりに目をやると見覚えのある薄茶色の柔らかそうな髪が

風になびいているのが見えた。

後姿だがそれがのだめであることはすぐに分かった。

少し長くなった髪が離れていた年月を物語っていた。

川を見ているようだった。


まだ心の準備が出来てない・・・・。

千秋は突然のだめが自分の視界に入った事に

戸惑った。


しっかりしろ!千秋真一!!

男だろうが。

千秋は自分を奮い立たせた。

そっと川べりに下りていく。

あの時もこんな風に河川敷をあいつの後姿を

見ながら後を追う様に歩いていた。

そして後ろから抱きしめた。


同じようにしようとした時、不意にのだめは気配を感じたのか

振り向いた。

その表情は目を大きく見開き驚きを隠せなかった。

しかし、それ以上に千秋は心臓が止まりそうなくらい衝撃を受けた。


のだめの腕の中の存在がそうさせたのだ。


「のだめ・・・・」

そういうのがやっとだった。


「真一くん・・・・」

その時ののだめの表情は言い表せないくらい複雑だった。

せつなげで悲しそうで嬉しそうだった。


のだめは幼い子供を抱いていた。
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遠い約束(10) [のだめカンタービレ二次小説]

「俺も行かなくて大丈夫か?」

峰は心配そうに聞いた。

「保護者が必要な年じゃない」

俺をみくびるなよと言ってやりたかったが

思い止まった。

こいつはこいつなりに心配してくれているのが

分かっていたから。

千秋は腹を括ったようにきっぱりと言い切った。

峰と東京駅で別れると博多行きの新幹線に乗り込んだ。


ここ何日かちゃんと眠れていなかったから

少し眠ろう。


あの時の思い出が鮮明に蘇ってくる。

自分の気持ちもわからないまま

あいつの実家に向っていた俺。

どうやったらあいつを説得できるだろうとタクシーの中で

考えあぐねているとあいつから電話があって

一大決心して此処まで来た俺の立場はどうなると

落ち込んだっけ・・・・。


あの時の気持ちと似てる。

受け止めてくれるか拒否られるか

不安で堪らなくなる。

いや、今回の方が不安が大きい。

三年も経って一体何を言えばいいのだろう?


千秋は悩みながらもいつの間にか眠っていた。


疲れていたからか夢は見なかった。

いやもしかしたら見たかもしれないが

忘れてしまったのかどうでもいい夢だったから

覚えていないのかもしれない。




五時間後、博多に着いた千秋はタクシーでのだめの実家に向った。


思わず鼓動が早くなっていくのが分かった。

今更、何を話せばいいんだろう?

やっぱり俺にはおまえが必要だからやり直そうと

言うべきなんだろうか?


この場に及んで俺はみっともない・・・。

たとえ振られたとしてもこれで吹っ切れる。


俺はそう思っていた、

少なくとものだめと再会するまでは。








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遠い約束(9) [のだめカンタービレ二次小説]

「三年も前なのによく覚えていますね」

千秋は少し含みを持たさせような言い方をした。

「あいつにしてはめずらしく思いつめた顔を

しとってずっと気にしてたんや」

「千秋、もしかしたらあいつも勝手に帰ってきた事を

後悔してんじゃないか?」

「・・・・・もう三年も経ってるんだ。いつまでも・・・」

自分に言い聞かせるように言った。


なんとなく気まずくなって二人は江藤の控え室を後にした。



「本人に確かめに行こうぜ」

峰は決心したように強めの口調で言った。

「今からか?福岡まで?」

千秋は呆れたように聞き返した。

「このまま、向こうに戻ったって同じだろう!?」

「・・・別にあいつが居なくなったから不調になったわけじゃない」

なんて説得力のない言葉だろう。

千秋は自分で言いながらそう思った。


「俺さ、学生時代はおまえの事スーパーマンみたいに思ってた」

「・・・・・・」

千秋は少し横を向いた。


「でもおまえも人間なんだよな。前に『何でも出来るおまえなんかに

俺達の気持ちなんてわかるわけねえよ!』って思わず言った事

後悔してるんだ・・・」

峰は申しわけなさそうに話を続けた。


「もう昔の事だ・・・」

そうお山の大将で居られた頃の話を今更蒸し返してどうする。


「俺さ、人間だから同じ演奏は出来ないだろう?だからこそ

感動するんじゃないかってやっとわかって来た。プロって何かトラブルが

起こっても何とかするけど心が伝わるって言うか変わっちまうんだよな」

「だから俺が不調だと言いたいのか?」

千秋はあからさまに嫌な顔をした。


「本当は自分でもわかってるんだろう?」


「・・・・・!!」

のだめの存在がこんなにも大きくなっていた事を

認めたくなかった。

そしてのだめに見限られた事を確かめるのが怖かったんだ。

それでいて三年経っても待っていてくれてるかもしれないという

勝手な願望も捨てられなかった。


日本に帰ってこなければ自分の想いを気付かずにいや

ごまかせたかもしれない。

でももう限界だった。

だから俺は帰ってきたんだ、此処に。









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遠い約束(8) [のだめカンタービレ二次小説]

「折角、来たんや。茶でも飲んでいかんか?」

「いや、俺達は・・・」

ハリセンには何か見透かされているようでいやだったし

当然、俺の向こうでの様子も知っているだろうし

とやかく詮索されたくなかった。

「いいじゃんか。慌てて帰る必要もねえし」

峰はそんな俺の思いを知ってか知らずか

余計な事を言った。

「・・・・・・」

千秋はあからさまに不機嫌そうな顔をした。

しかし、次の瞬間千秋の瞳は大きく見開いた。

「前に野田も来てたんや」

「のだめが!?」


「立ち話もなんやから」

千秋達は江藤の控え室の椅子に腰をかけた。


本棚には楽譜がずらりと並んでいて

前列の隙間に以前手に持っていたハリセンが立てかけられていた。

随分と使っていないのが少し被った埃で分かった。

のだめに言ったようにあれからハリセン使っていないのだろう。


江藤は手馴れたようにコーヒーを用意すると

二人の前に出した。


「おまえらが来ると分かってたらなんか用意しといたんやけどな」

申しわけなさそうに言った。


「のだめはいつ来たんですか?」

峰は急くように聞いた。

「三年前くらいやった。わしに気付いて逃げるように帰ったけどな」

「そんなに前か・・・!」

当てが外れたように峰は椅子に座りなおした。


三年前・・・?

あいつが帰国した頃だ。


「千秋、のだめが此処に来たって事はまだ脈があるんじゃねえか」

「・・・・・」

「おまえら別れたんか?」

「・・・・・」

千秋はこたえず唇を噛んだ。

「野田が一人で来たのを見てそやないかと思うた。まあわしには

どうでもいい話やけどな。ただ様子が変やったからちょっと

気になっておまえらなら知っとると思ったんや」

「のだめが変なのは今に始まった事じゃねえだろう」

「そうやない。顔色も良うなかったしえろう疲れた感じやった」











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遠い約束(7) [のだめカンタービレ二次小説]

俺はこの小さな世界から出たかったんだ。

でもトラウマのせいで日本から出る事は出来ないと

諦めていた。


そんな俺を救ってくれたのはあいつだった。

本当なら自分が治してやったんだと

言えばいいのにあいつは何も言わなかった。

それにそれで俺が日本から飛び出すのを

分かっていながら・・・。

それから急激に俺の中にあいつが入り込んできた。

それでもあいつへの想いを認めたくなかった。

俺があいつに惹かれてるなんて信じられなかった。

だから俺の方が優位だと思っていた。

うぬぼれていたんだ。


此処にあのまま居れば俺は俺様のままで

居られただろう。

サル山の大将のように

羨望と嫉妬の視線を集めながら。


それでも外の世界を見たかったのは

望んだのは俺だ。




「やっぱり懐かしいなあ」

峰が学生時代を思い出したように少し照れながら言った。

「・・・・・・」

自分でも持て余してどうする事もできなかった想いを

あいつは救ってくれたんだ。

どうしてもっとあいつを真剣に受け止めてやらなかったんだろう?

もっと大切にしてやらなかったんだ?



此処は思い出が多すぎて心が痛い・・・・。


「おい、もしかしたら千秋やないか」

俺とあいつを繋ぐ事になった人物の声が聞こえた。


「ハリセンじゃねえ、江藤先生」


「おお、やっぱり千秋、それから・・・・」

江藤はとぼけているのか本当に分からないのか

峰の顔をじっと見て考えていた。

「お久しぶりです」

千秋は視線を合わせず決まり文句の言葉を口にした。














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遠い約束(6) [のだめカンタービレ二次小説]

千秋と峰は早朝桃大に車で向った。

峰の父親は慣れた様子で虎太郎をおぶりながら

中華なべを動かしていった。

「龍太郎、虎の事は気にせずゆっくりして来い!」

相変わらず、息子には甘いらしい。

壁にはR★Sオーケストラ定食のメニューが貼られている。

目を引くのは太文字で書かれた清良エレガンス定食。

横には虎太郎お子様ランチの文字。

「ありがとうな!おやじ」

「峰、大丈夫なのか?」

「あれでおやじは喜んでるから親孝行だ」

「いやそうじゃなくてやけどとか心配じゃないのか?」

「男の子を育てるのにそんな事気にしていたら

身がもたねえよ」

俺なら心配で仕方ないけどな。

大雑把というかおおらかと言うか

峰一家らしいな。


桃大は変わっていなかった。

室内外でチューニングしているし、能力はともかく

あいつのような飛びぬけた才能の持ち主が見当たらない。


そんなあいつでさえ向こうでは苦戦していた。

そしてそれは俺も同じだった。

以前、峰に言った言葉をじぶんが思い知らされるとは

思っていなかった。


『子供の頃コンクールで賞でも貰って神童とか

言われて勘違いしたくちか』



本当に笑える。

ちっとぽけなプライドはあっさりと砕けた。

食らいつくのがやっとだった。


そんな俺が結婚して子供を持つなんて

普通で考えたらムリな事くらいあいつだって

分かるはずなのに・・・・。

どうしてあんなにも子供に拘っていたんだろう?

今考えれば疑問が浮かんでくる。












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